
|
少年時代
Dolls:Mahoko Akiyama、Photo:Kunio / KunioMonji.com I 黄色の髪をなびかせた黒い目のこの偶像、両親も取巻きもなく、おとぎ話よりも気高いメキシコとフランドルの混血児。彼の領土は、船も通えぬ荒波を越えて、猛々しくギリシア、スラブ、ケルト語の名を付けられた浜辺まで果てしなく広がる青空と緑野。
II あの子だ、幼いうちに死んだ女の子だ、バラの茂みの後ろにいるのは。 ― 若くして亡くなった母親が玄関の石段を降りる ― 従兄弟の四輪馬車が砂の上できしむ
― 弟は ― (インドにいるのに!) あそこだ、夕日を背に、ナデシコの咲く野原に。埋葬された老人たちがニオイアラセイトウの咲き乱れる城砦の中にまっすぐに立っている。
Doll Box :Shimizu Mari, Photo:Kunio / KunioMonji.com III 森には一羽の鳥がいて、その歌は君たちの足を止め、君たちの顔を赤くする。
VI ぼくは高台で祈る聖者だ、 ― おとなしい獣たちがパレスチナの海まで草を食べて行くように。
V 最後にはセメントの筋が浮き出た石灰で白く固めたこの墓を貸してはくれないか ― 地下奥深くに。 翻訳掲載:2000年11月、2003年6月、2007年11月更新 |
|
おとぎ話 通常「少年時代」、あるいは「少年の日」などと訳されているこの詩は、実際には比較的幼い第1部から第4部までと、ランボーがロンドンに渡った青年時代の第5部で構成されています。奇妙なことですが中間のいわゆる少年時代、ランボーが詩人になろうと修行した時代から後期韻文詩編を書いた時期までは、「少年時代」には表現されていません。 ・第1部は、絵画や物語からのイメージととれます。 ・第2部は、ランボー自身の少年時代の回想と思われます。
・第3部は、少年時代の近くの森林での体験の回想です。
・第4部は、少年時代の自我のイメージの世界です。
第3部よりも成長して自分の世界を語ります。たぶん、こうした「自分ごっこ」、ひとり遊びをした記憶を持っている人も多いと思います。 ・第5部は、ランボーがこの詩を書いているロンドンの地下室です。
解読掲載:2000年11月、2003年6月・2003年7月追加、2007年11月更新、2008年9月追加 |
| Page Top | ||