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大都会(II) これが大都会だ! 夢幻のアレゲニー山地とレバノン山地が、とある国民のためにそびえ立った! 見えないレールと滑車の上を動く水晶と木の山小屋。銅の巨像とシュロに取り囲まれた噴火口が、火の中で美しい調べをとどろかす。恋の祝祭が山小屋の後ろに架けられた水路で鳴り響く。カリヨンの狩猟曲が峡谷に鳴り渡る。巨人の合唱団が峰の光のように輝く衣装と旗印で駆けつける。奈落の底の台の上ではローランたちが彼らの武勲を高らかに歌う。深淵に架けられた歩道橋と宿屋の屋根の上では、空の熱が柱を旗で飾る。至高の光栄の崩壊が、熾天使の女ケンタウロスたちが雪崩の間を動きまわる高地の野原に繋がる。最も高い稜線の上に、吹奏楽団の船団と、高価な真珠とほら貝のざわめきを乗せた、ヴィーナスの永遠の誕生で波立つ海、
― その海は死の閃光でときおり暗くなる。傾斜面では、武器やカップのように大きな花の収穫がとどろく。赤茶色、オパール色の服を着たマブの行列が、谷底の道を登る。あの高いところでは、足を滝と茨の中に入れ、鹿がダイアナの乳を吸う。郊外の「バッカスの巫女たち」はすすり泣き、月は燃え、遠吠えをする。ヴィーナスが鍛冶屋と隠者の洞窟に入る。鐘楼の群れが民衆の思想をを歌う。骨で建てられた城が未知の音楽を流す。あらゆる伝説が進化し、熱情が町々に押し寄せる。嵐の楽園が崩壊する。野蛮人たちが夜の祭を踊りあかす。そして、濃密なそよ風の中で、仲間たちが新しい労働の喜びを歌っていたバグダッドの大通りの往来の中に私は一時間降りていた、戻るべき山々の寓話の幽霊たちを避けることができずに歩き廻りながら。 翻訳掲載:2002年11月3日 |
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輝く大都会 この詩のタイトル「大都会(II)」はフランス語では「
Villes 」、つまり「町 ville 」の複数です。そのため、しばしば「町々」、「街々」と訳されています。しかし、日本語の「町」は、都市より小さな町、あるいは、都市の一区画のイメージですが、フランス語の「
ville 」には「都市」、「都会」という意味もあります。私は、ランボーはここで、無定見に広がっていく重層的な構造をした近代の大都市、おそらくは当時のロンドン、今では、たとえば東京のような大都市をイメージしたと考え、建造物だけでなく文化も含めた言葉として「大都会」と訳しました。「イリュミナスィオン」中に同じタイトルの詩が2つあるので、ランボーはこの詩のタイトルの下にUという数字をふり、それを線で抹消しています。始めは、もうひとつの大都会(I)と同じタイトルでひとつにまとめる(たとえば「人生」のように)意図だったと考えられます。 解説掲載:2002年11月3日 |
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