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マラルメ

Petit air

小さな調べ

 原題は Petit air です。この調べ、旋律、曲が何を意味しているのか、今でも解りません。「散文」というタイトルの詩集に収められています。マラルメの詩の構成を考えているうちに、なるべく原詩の流れを変えない、つまり日本語としてなるべく並べなおさずに訳せないものかと考えるようになりました。Ⅱは、その試みとして訳してみたものです。


  小さな調べ
          ステファン・マラルメ

     Ⅰ

白鳥もいない、波止場もない
なんとはない寂しいながれが
その虚しさを
私の目に映しだす

空一面に広がった
夕日の金の彩りの
手も届かないうぬぼれから
私は目を落す

けれど、悦ぶ女よ、もし
おまえが、ながれに身を投げれば
おまえは、はだかの悦びとなり
あの幻の鳥は悩ましげに

脱ぎ捨てられた白い下着のように
悦ぶ女に沿い泳ぐ

     Ⅱ

抑えられずに鳴り響いた
飛び立つ私の希望のように
失われた彼方に向かい
激しい怒りと沈黙と共に、

木立の中の未知の声
しかし、木霊も返らない、
あの鳥の声は
一生で二度と聞けない。

取り乱した音楽家は、
その声は消えて、疑いに囚われる
彼の胸からではなく私の胸から
酷い嗚咽が湧き出たのかと

心を引き裂かれて、彼はそのまま
どこかの小道に留まるだろうか!

翻訳:2003, Parolemerde2001

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