イリュミナスィオン

Illuminations

II Guerre
II 戦争

 子供の時、幾つかの空がおれの光学を磨いた:あらゆる性格がおれの人相に陰影を付けた。様々な現象が興奮した。―今、瞬間の永遠の屈折と数学の無限が、奇妙な少年時代と巨大な情愛で尊敬されて、あらゆる市民的成功を被っている私を、この世の中で狩り立てる。―おれは、法によろうが力によろうが、全く予見されていない理論に基づく、ある種の「戦争」を思い描いている。
 これは音楽の一小節と同じくらい簡単だ。

フランス語テキスト

翻訳:門司 邦雄
掲載:2013年2月28日、2020年11月8日


これからのことは分からない。


 テクステュエル版の原稿集にある C. ジャンコラの説明では、「戦争」は「岬」と同じ用紙であり、紙葉を切り離したのでは、と書かれています。

 ランボーは清書して『イリュミナスィオン』を書上げましたが、その後、何人もの手に渡り、ふられた番号も含め、ランボーが並べた通りかどうかは分かりません。それでも、筆跡、紙質、インクの色などから、いろいろと推察できます。デジタル化した今はどうなのだろうかと考えてしまいます。

 頭に付けられた II をはずして考えてみると、この詩はブリュッセル事件以降と考えられます。ジャンコラの原稿からの判断を含めると、ランボーが詩集を仕上げるころに書いたものに思えます。

解読:門司 邦雄
掲載:2013年2月28日、2020年11月9日

<< フェアリー  index  大安売り >>

© Rimbaud.KunioMonji.com