不可能 - L'Impossible
ああ! 子供の頃のあの生活、どんな天気でも街道を歩きまわり、異常なまでに飲食をつつしみ、どんな乞食よりも無欲で、祖国もなく友もないことを誇りに…
閃光 - L'Eclair
人間の労働! これがおれのいる奈落の底をときどき照らし出す爆発だ。 「すべては空しくない。科学に、前進!」と現代の「伝道者の書」、つまり「世の中…
朝 - Matin
愛されるべき、英雄的な、おとぎ話のような、黄金の紙に書き留めるべき青春が、おれには「かつて」あったのではなかったのか、―幸運すぎた! どんな罪…
永別 - Adieu
秋だ! 既に。だが、どうして永遠の太陽に未練があるのだ、おれたちが神の光の発見を託されたのであれば―季節の上に死んでゆく人々からは遠く離れて。…
・門司邦雄によるフランス語朗読あり
Données Explication
「地獄での一季節」解題
タイトル「地獄での一季節」はフランス語では「 Une saison en enfer 」です。「地獄の季節」と訳されることが多いです。しかし、「地獄の季節」という意味であれば「 Saison d'enfer 」になると思います。ただし、「 d'enfer 」はそれだけで「地獄のような」という意味になってしまいますから、「 de l'enfer 」「あの地獄の」と定冠詞を付けるかも知れま…
Données Christianisme
「キリスト教との別れ」所見
『地獄での一季節』の最後の詩「永別 Adieu 」は、タイトルどおり詩との別れ、つまり「見える者(見者)」の詩人であるランボー自身との別れと、「見える者」の道連れであったヴェルレーヌとの別れを書いた詩です。しかし、この詩には、もうひとつの別れが書かれています。それはキリスト教との別れ、神からの自由です。『地獄での一季節』の成…
À propos de ma traduction
翻訳について
私はランボーをフランス語では『イリュミナスィオン』から読み始めました。そして、読んでいくうちに、『地獄での一季節』『後期韻文詩篇』、さらに『初期詩篇』も読むようになりました。ランボーの書いた時間軸を逆にたどった訳です。 『イリュミナスィオン』の「「ノアの大洪水」の後」「少年時代」あるいは「首都の」「野蛮な…