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ランボー 初期詩編

L'étoile a pluré rose...

(星はバラ色に泣いた…)

君の耳の中心(訳注1)で、星はバラ色に泣いた、
君のうなじから腰へ、永遠は白く転げ落ちた(訳注2)
君の赤い乳首(訳注3)で、海は赤茶色の玉となった
そして、「あの男(訳注4)」は君の至高のわき腹で黒い血を流した。

フランス語テキスト

翻訳掲載:2003年4月14日、9月7日


キリスト

 この詩は、ヴェルレーヌ詩帳に収められており、「母音」と同じ紙に書かれています。この詩が、何かの詩の断片であるとも考えられますが、その対象は見つかっていません。「母音」と同じ紙に書かれていることも含め、ランボーの女性体験をモチーフにした詩ではないかと思われます。

訳注1) 「耳」は、同時に女性性器の外観を暗示していると思われます。また、「中心」には「心臓 coeur」という言葉が使われていることも、性交を暗示していると思います。「盗まれた心臓」では、心臓 coeur は、亀頭の意味で使われています。
訳注2) 「転げ落ちた」と訳しましたが、原文では過去分詞形のみで、前後の文章から動詞的に訳しました。
訳注3) 原文 mammes (複数)は、辞書にありませんでした。母(maman)、乳房(mamelle)、乳首(mamelon)などからの造語でしょうか。文意から「乳首」と訳しました。
訳注4) 「あの男 l'Homme」が誰なのか、はっきりしません。ランボーとも考えられますが、男性一般と考えることもできます。ポショテク版のP.ブリュネルの注では、以下の聖書の記述より、復活後のキリストとも考えられるという注が付いています。「ヨハネによる福音書」第19章34節「しかし、兵士の一人が槍でイエスのわき腹を刺した。すると、すぐ血と水が流れ出た。」(新共同訳聖書、1987年版) 定冠詞が付き、大文字になっているので、キリストと取るのが良いように思えます。女性がキリストを裏切ったという意味が隠されているのかも知れません。この詩と「母音」には、ランボーの女性嫌悪は強く出ていません。

解読掲載:2003年4月14日、2008年11月8日更新

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