初期詩編
ぼくは出かけたものだ、破けたポケットに両手を突っ込んで;
ぼくの短い外套も、願ったりかなったり:
ぼくは大空の下を歩いた、ミューズよ! ぼくはお前の信奉者だった;
いやはや! なんと輝く愛を夢見たことか!
ぼくの一張羅の半ズボンには大きな穴が空いた。
―夢みる親指太郎で、ぼくは韻を路に
並べていった。ぼくの宿屋は大熊座。
―空ではぼくの星たちが甘くささやいていた。
そしてぼくは道端に座ってそれを聴いていた、
この九月の良い夜に、力づけの酒のように、
額にロゼのしずくを感じていた。
幻想的な影の真ん中で韻を踏みながら、そこで、
片足を胸の近くまで引き上げて、オンボロ靴の
ゴム紐を引っ張って、竪琴のように弾いていた!
アルチュール・ランボー
フランス語テキスト
翻訳:門司 邦雄
掲載:2021年3月11日